規則正しい生活から生活習慣病を予防する

規則正しい生活から生活習慣病を予防する 美容・健康
日本は世界一の長寿国となっていますが、「生活習慣病」の増加が社会問題化しているのが実情です。
これはある決まった一つの病気のことではなく、食生活などをはじめとする「生活環境」が原因となって発症する、「糖尿病」や「高脂質血症」「高血圧」などのさまざまな病気を指しています。毎日の習慣に根ざしている慢性病で、初期の頃には自覚症状がなく、気が付いたときには、かなり病気が進行しているという怖さがあります。
生活習慣病になれば、家族などにも迷惑をかけてしまうことになりかねません。
そこで今回は、生活習慣病の基本的な知識や改善方法についてご紹介していきます。

百害あって一利なし!生活習慣病の特徴と恐ろしさ

肥満イメージ
まずは、生活習慣病の特徴や、日本の現状などについてご説明していきます。

生活習慣病の特徴とは?

「生活習慣病」とは、主に食生活や運動習慣、喫煙、飲酒などが原因で起こる「糖尿病」や「高脂質血症」「高血圧」などといった病気を指します。
その原因から、改善には日々の生活習慣を変えていく必要があります。しかし、習慣は長い時間をかけて作られるもの。そう簡単には改善できないのが悩みの種です。
また、「サイレントキラー」とも呼ばれ、進行しないと自覚症状があまりないので、長期間そのままにして、症状が悪化することもあります。
さらに、慢性的な病気であるため、通院や服薬、生活習慣の改善など、長期的に取り組んでいかなければ回復しないことも特徴です。最終的には人工透析治療が必要になったり、心筋梗塞を起こす危険性があり、死に至るケースも。

現状について

生活習慣の変化や、高齢者の増加により、「生活習慣病」患者や予備軍は増加傾向にあります。「メタボリックシンドローム」としてよく耳にする「内臓脂肪症症候群」も健康診断時に注意喚起がなされるほど、身近なものになりました。今や、一部の人だけでなく、社会問題となっています。

あなたは大丈夫?食生活・運動習慣・飲酒やタバコ

ではどのような「習慣」が問題となりやすいのでしょうか。
主な原因となる習慣を4つご紹介します。

食生活

バランスの取れた食生活イメージ

やはり原因として一番多いのは、偏食などといった食生活の乱れです。戦後の「一汁三菜」といった日本式の和食から、次第に欧米的な食事が増え、ファストフードやコンビニ弁当、スナック菓子が広まってきて、卵や肉類などといった動物性脂肪がたくさん使用されているような食品を食べる機会が増えた結果、肥満の人口が増えています。
また、最近は「忙しい」「ダイエットのため」と、朝食を摂らない人が増えています。仕事で遅い夕食になりがちというのも、よく聞く話です。規則正しく、バランスの取れた食生活ではなくなることで、生活習慣病のリスクは高まります。

運動不足

運動不足も主な原因の一つです。活動量が低下することで、筋力の低下や血流の悪化につながります。そして血圧や血糖値、コレステロール値などに悪い影響を与えます。
また、疲れやストレスを増幅させることもあり、様々な病気を引き起こす可能性もあります。

飲酒・喫煙

飲酒・喫煙イメージ

まず、アルコールは飲み続けると血圧を上げるため、高血圧の原因になると考えられています。血管の収縮反応が高まり、心拍を速めたり、肝臓にも影響を及ぼします。また、アルコール飲料に含まれるカロリーや塩辛いおつまみも体重増加の原因となります。
一方タバコも、ニコチンが交感神経系を刺激するため、血圧が上がり、脈拍が増えます。液中の酸素も不足気味になります。もちろん消化器系に直接悪い影響も与えます。

過労やストレス

過労が続くことで、睡眠不足となったり、疲労回復の機会が失われたり、交感神経が高ぶったままで血管に大きな負担がかかります。
またストレスはホルモンに影響し、食欲を抑えたり、逆に増進させたりして、食生活が乱れます。
それらが原因で「高血圧症」や「糖尿病」になる危険性が高まるのです。
さらに、過労やストレスで身体が疲れることで、免疫力が下がり、感染症などにかかりやすくなります。

甘く見るべからず!生活リズムが崩れると・・・

実は、かつては生活習慣病のことは「成人病」という呼び方がされていましたが、予防することの大切さから生活習慣病に変わったという経緯があります。つまり、「年をとらないとかからない」のではなく、生活習慣による影響は、子どもの頃からすでに始まっているのです。

実は子どもの頃の生活リズムも影響する

小学生に対して行った血液検査で、脂質や血糖値、肝機能などの数値に問題があった子どもが10人に1人という高い数字で出ています。子どもの頃から生活習慣に問題があると、将来病気にかかってしまう危険性が高まるのです。
具体的にそのようなリスクの高い子どもは、以下のような特徴があります。
もしご自身のお子様などに思い当たることがあれば、よく気を付けるようにしましょう。
  • 外あそびをほとんどしない
  • 食事の時間がバラバラ
  • 1回の食事量が多く、とても早く食べる
  • 1日のゲーム時間が長い

睡眠不足によっておこるトラブルとは

生活習慣を改善する確実な方法の一つは、睡眠をしっかりとることです。私たちの心や体は睡眠中にメンテナンスを行っています。その時間が短くなってしまうと脳が休息できないばかりか、内臓や筋肉の疲労が回復されなかったり、適切にホルモンが分泌されなかったりします。その結果肥満や高血圧、糖尿病を引き起こす可能性が出てきます。
また、睡眠が不足すると、日中眠くなります。活発に活動できなくなり、エネルギーの代謝がうまく行かなくなります。
まずは夜にしっかり睡眠を取ることで、生活リズムの改善につとめましょう。しっかり入浴して身体を温めたり、パソコンやスマホは眠る1時間以上前に使用を控えるのがよいでしょう。

愛する人のために健康になりたい

運動イメージ

もし生活習慣病にかかってしまえば、大切な家族にも迷惑がかかってしまいますし、健康的に働けなくなるため、経済的な負担をかけてしまう可能性もあります。愛する人のためにも、健康的な毎日を送れるようにしっかり予防しておきましょう。
ここでは、悪い生活習慣の改善方法についてご紹介していきます。

「運動」が一番確実!

運動をしっかり行うことによって血管を健康な状態に保ち、動脈硬化や心筋梗塞、脳卒中などのリスクを減らすことができます。また、体を動かせば、メタボリックシンドロームの解消にもつながります。
生活習慣病予防のためには、週に3回、1回30分程度以上の運動が理想です。どうしても時間がないという場合は通勤や通学の時に一駅前で降りて歩くことも効果的です。激しい運動ではなく、ウォーキングなどといった有酸素運動で十分です。特に「事務職でいつも座りっぱなし」「休日は外出しない」といった傾向がある人はぜひ実践していきましょう。

食生活を見直す

食事は大人になると自分の好みで選べるため、気付かないうちに長期間偏食が続いてしまっている可能性があります。特に以下のような人は気をつけましょう。
  • 濃い味付けが好き
  • 野菜をほとんど食べない
  • ファストフードやコンビニ弁当をよく食べている
  • 朝食を抜くことが多い
  • お腹いっぱい食べたり早食いしたりする
塩分の摂りすぎは高血圧などにもつながるため、減塩タイプの食品を選びましょう。それからおすすめは「酢」です。酢に含まれている酢酸は、血圧やコレステロール値を下げ、中性脂肪などを減らし、内臓脂肪を増やさないことが明らかになっています。

まとめ

今回は、生活習慣病についての基本的な知識と原因、予防法についてご紹介してきました。生活習慣病は「サイレントキラー」とも呼ばれ、いつのまにか症状が進行してしまう危険があります。
ただし、一度にすべての習慣を変えることは難しいものです。無理に変えようとすると、大きなストレスになってしまうことも。
例えばひと月に一つずつ変えていくなど、計画的に、少しずつ実践していくようにしましょう。
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