シロアリ駆除にかかる期間
効果や行う時期と業者に掛かる費用について

シロアリ駆除にかかる期間 暮らしのお困りごと
「シロアリ駆除に必要な時間はどれくらい?」
「工事当日は、1日空けておくべきなの?」
このようなことは、シロアリ駆除工事をしたことがない人には、見当がつかないものですよね。また、シロアリ駆除をしたらどれくらい効果があるのかもよくわからないかもしれません。シロアリ駆除をする場合には、主に工法によって、駆除の時間や期間、それから効果が出るまでの時期が変わってきます。今回は、それぞれについて詳しく説明していきます。

シロアリ駆除方法は2種類

バリア工法とベイト工法の違い

シロアリ駆除するためには、主に2種類の方法があります。薬剤を散布してシロアリを直接的に駆除していく「バリア工法」と、薬剤入りのエサを地中に埋め、それを食べさせて巣を一掃していく「ベイト工法」です。
まずは、それぞれの特徴について詳しく見ていきましょう。

バリア工法の特徴

壁への薬剤の散布や、柱に薬剤を注入する方法で、「薬剤散布法」とも言われます。シロアリ自体や、その巣に直接薬剤を作用させていきます。
方法は、主に以下の3つがあります。
  1. 建物の木材部分に薬剤を吹き付ける「木部処理法
  2. 土壌、コンクリートに薬剤を吹きかける「土壌処理法
  3. 床下だけのシロアリ駆除では効果がない浴室・玄関・床などの塞がれている部分で、床上から穴を開けて薬剤を注入していく「上回り処理法
いずれの方法も、「即効性が高い」ことと、「短時間で広範囲のシロアリが駆除できる」ことがメリットです。以前は、薬剤が人体やペットに影響を及ぼす影響が懸念され薬剤の取り扱いは有資格者ではないと危険とされていました。昨今は薬剤の安全性も非常に高まっており、現在の主流の工法となっています。

ベイト工法の特徴

ベイト工法は薬剤を混入させた毒エサをシロアリに食べさせる駆除方法です。シロアリはエサを巣に持ち帰る習性があるため、巣ごと駆除できます。ホームセンターでもベイト剤が販売されていますが、的確にシロアリの通り道や潜んでいる場所に設置しなければいけないため、素人には少し難しい方法です。
ベイト工法は、薬剤を散布しないため、ペットへの被害がほとんどなく、小さな子どもやアレルギー体質な方にもより安心なところがメリットです。
ただし、効果が出てくるのはシロアリが摂取したあとなので、バリア工法よりも時間がかかります。状況によっては数ヶ月を要することもありますのでバリア工法よりも金額が高くなるケースが多くあります。また、一刻も早く解決を望んでいる場合はおすすめできません。

シロアリ駆除にかかる期間

上記のように、シロアリの駆除方法にはバリア工法とベイト工法があるわけですが、施工にかかる時間や駆除が完了するまでの日数が異なります。
続いて、それぞれの工法で、駆除にかかる施工時間や、その後の効果が出るまでの時間について詳しくご説明します。

バリア工法での駆除にかかる期間

バリア工法は現在主流となっており、即効性に優れ、なおかつ低コストです。施工に必要な時間は6時間~1日ぐらいです(被害があまりにも広範囲だったり、建物が大きかったりする場合は2日かかる場合もあります)。

ベイト工法での駆除にかかる期間

ベイト工法の施工時間も、バリア工法とそれほど変わらず、6時間~1日ぐらいで施工が終わります。しかしベイト工法の場合は、エサを食べさせて駆除していく方法なので、根絶までには平均的に1~3ヶ月ほど必要です。

シロアリ駆除の効果はどのくらい持つのか

保証イメージ

一回きちんと駆除しても、シロアリは外から侵入してくるので、再発が起こってしまう可能性もゼロではありません。駆除からどれくらいの期間が経つと、再発の可能性が高まるのでしょうか?
予防効果の期間は建物や周囲の環境も関係しますが、ほとんどのシロアリ駆除業者が設けている保証期間が5年ほどであることは間違いありません。これは駆除工事後にシロアリが再発生したら、無料で駆除をしてくれるというサービスです。その点から考えて、駆除したあとの予防効果は5年くらい続くと考えておけば問題ないでしょう。

シロアリ駆除に適した時期

シロアリ駆除に適した時期も、駆除方法によって異なります。しっかり効果が発揮できるタイミングで駆除を行うと、効率が上がります。注目すべきポイントは以下の2つです。

シロアリが活発になる時期

特に「ベイト工法」ではシロアリが活発に動き回り、活動が盛んなときにベイト薬剤を巣まで伝播させる必要があるので、シロアリの活動が活発な時期を狙うと効果が高くなります。ヤマトシロアリやイエシロアリは4~7月が活発になり、カンザイシロアリならば6月~10月が最適な時期です。

シロアリの予防剤が切れる時期

また、保証期間である5年を過ぎた頃には、再びシロアリが発生してしまう可能性が高まってきます。早めに点検を依頼しておきましょう。

シロアリ駆除が必要ない家はない

シロアリ被害の多くは木造で築年数が経っている物件が多くなりますが、新築の一戸建てや鉄骨のマンションでも油断できません。そのような建物でもシロアリ被害が出ている事例も多くありますし、「ベタ基礎」と呼ばれるシロアリ対策用の基礎で建てられているようなケースでも隙間から侵入し、被害が広がってしまうこともあるのです。
特に、最近は床下暖房によって、冬でもシロアリが暮らしやすい環境になってしまっている住居も多く、冬でも発生する可能性は十分あります。常にリスクがあることをよく踏まえて、すぐに対応できるようにしておきましょう。

シロアリ駆除業者への依頼にかかる費用の相場

続いて、シロアリ駆除業者の費用相場についてご説明します。業者によって違いがありますし、建物の状況によっても異なりますが、ここでは工法による相場をご説明します。

バリア工法

バリア工法は一坪あたり10,000~12,000円程度が平均的な相場です。鉄筋コンクリート住宅で一坪10,000円、木造やプレハブ住宅など、被害が大きくなりがちなところでは12,000円程度と考えておくとよいでしょう。

ベイト工法

ベイト工法の方は外周1mあたりの単価相場が6,500円程度です。たとえば一軒家の二階建てで外周約44m程度(約35坪)で30万円、一軒家の平屋で外周36m程度(約25坪)では25万円くらいが相場です。

シロアリ駆除業者に依頼するときのポイント

駆除業者イメージ

シロアリ業者の中には価格が相場よりもかなり安いところなどもありますが、金額だけではなく、きちんとした調査を実施してくれたのか、担当者の説明が丁寧でわかりやすかったか、総合的に判断することをオススメします。調査や説明がずさんな業者を金額だけで選ぶと、工事もずさんでしっかり駆除ができていなかったり、すぐ再発してしまったり、結局余計にお金がかかってしまう、といったことにもなりかねません。
そうならないように、しっかり優良業者を見極めるポイントを押さえておきましょう。

複数業者から見積もりを取る

工事費用は、建物の構造や、被害状況などによっても異なるため、シロアリ駆除を依頼した経験がないと、安いのか高いのかといった判断はなかなかできません。そこで価格が妥当かどうかを判断するためにも、3社くらいに相見積もりを取ることがおすすめです。いくつかの業者に頼むことによって、相場がはっきりし、比較がしっかりできるようになります。

資格や実績がある業者

意外と知られていないことですが、シロアリ駆除には「しろあり防除施工士」という資格があります。これは「公益社団法人日本しろあり対策協会」が定めている民間の資格です。業者の実績や経験豊富なことが一番大切ですが、有資格者が在籍している会社のほうが信頼性はアップします。

保証内容やサービスがきちんとしている

駆除業者の中には、施工後の保証サービスが充実している所があります。シロアリ駆除はその場で駆除しただけではなく、その後、家を守り続ける「予防処置」も重要です。駆除を行ったあと、もし再発したような場合、どのようなサポートをしてもらえるかは必ずチェックしましょう。業者によっては、建物修復費用の補償がついているところもあります。

まとめ

今回は、シロアリ駆除についての期間や、効果が高い時期、業者の選び方のポイントについてご紹介しました。
即効性が高く、コストパフォーマンスがいいのがバリア工法で、薬剤散布無しでより一層安全なのがベイト工法です。お住まいの被害の状況や、費用相場をよく踏まえた上で、最適な業者と工法を選んでいくことが大切です。施工後も決して後悔することないように、よりよい業者選びのご参考になれば幸いです。
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