シロアリ駆除・予防が必要ない家はない!
対策すべき理由と被害が出たときの損失

暮らしのお困りごと
「うちはしっかりシロアリ対策を取っているから大丈夫」
「うちは鉄筋コンクリートだから大丈夫」
そう思っていませんか?
シロアリが厄介なのは、その雑食性です。コンクリート住宅にも食害を与えて、強度や寿命を著しく低下させることがあります。今回は「なぜ、あらゆる住宅にシロアリ駆除が必要なのか」という理由や、シロアリが発生しにくい場所について、ご説明します。

シロアリ駆除・予防が必要ない家はない

コンクリート建築の建物でも被害があるイメージ

シロアリが発生することがない家、というのはほぼありません。確かにシロアリ一匹一匹は掃除機で吸い込むだけで死滅しますが、その繁殖力が人間の想像をはるかに超えているのです。
現在ではコンクリート建築の建物でも被害があります。むしろ「うちはコンクリートだから大丈夫だろう」という思い込みが対処を遅らせ、被害を広げてしまいます。被害が大きければ大きいほどシロアリ駆除や修繕に余計に費用がかかってしまいます。また、建物が倒壊したり、近隣トラブルに繋がったりする危険もあります。まずは、シロアリの習性を正しく理解しておきましょう。

ガラスと陶器以外何でも食べる

シロアリはせいぜいガラスと陶器を食べないというくらいで、どんなものでも食べる雑食性です。そのため予想もしなかったような場所に巣を作って爆発的に大発生してしまうこともあります。特に、以下のような場合には、シロアリの食害を受けている可能性がありますので、注意しましょう。
  • 住宅内や、周辺にシロアリが作る小さなトンネルのような「蟻道」や、餌の跡などができている
  • 壁や柱の中から空洞音が聞こえている
  • 敷居や床が柔らかくなったような感じがする

シロアリは日本全国に生息

日本ではシロアリは22種類の品種が確認されていて、北海道のわずかな一部地域を除くと、日本全国のどこの地域でも被害が報告されています。「シロアリ被害は近所で聞いたことがないから、うちは大丈夫」という場合でも安心はできません。確かに、ヤマトシロアリは長い距離は移動できないと言われますが、「近所の人はシロアリ被害が出たことを正直に話していないだけだった」、ということもあります。
日本でもっとも広範囲に生息しているのは、「ヤマトシロアリ」で、春の終わり頃にもっとも活発になります。関西方面では温暖な地域に生息する「イエシロアリ」が多く、特に6~8月頃は活動が活発になります。
最近はアメリカからの外来種である「アメリカカンザイシロアリ」も、生息報告が東京のみならず、熊本でも報告されています。日本で大丈夫な場所はほとんどありません。

わずかな隙間から侵入

鉄骨住宅やコンクリート住宅でも、内部は木材を使用していたので、シロアリ被害にあっているという報告はあります。シロアリはわずかな隙間でも侵入して巣を作る習性があるからです。
主にエアコンの導入部、換気扇、エアコンの室外機などから侵入してくることはもちろん、さらに基礎の隙間からも侵入可能です。「ベタ基礎」と呼ばれるシロアリ対策向けの、隙間がほとんどない基礎であっても油断はできません。

シロアリ駆除・予防の必要性が低い家

では、どういった建物ならば、シロアリの駆除や予防をしなくてもあまり問題ないのでしょうか?その特徴について見ていきましょう。

シロアリの生息数が少ない地域

シロアリは主に温暖な地域で繁殖が多いため、北海道の一部では生息していない地域があり、そこは安全と言えるでしょう。しかし本当に「一部」だけです。日本は高温多湿という、シロアリが好む気候の国なので全国に何かしらのシロアリが生息していると考えて間違いないでしょう。
特に食害の広がり方がかなり速く、世界的にも被害の広がり方が激しいことで有名な「イエシロアリ」が生息している「茨城以南」は、特に気をつけたほうが良いでしょう。

床下が乾燥している

湿気のない構造や、湿気を吸い取る物質などで、シロアリが住みにくくなるということは確かなので、現在はそのような住宅構造になっている建物もあります。
しかし、乾いてさえいれば大丈夫と考えるのは誤った思い込みです。わずかな水分さえあればシロアリは十分に生息できます。あくまでそれは湿気の多い場所と比較すると安全というだけで、乾燥していれば絶対に安全だとは思い込まないでおきましょう。

予め木材に薬剤が注入されている

現在ではシロアリ対策として、新築の場合、前もって木材に予防剤が塗布されている建物がほとんどであり、施工業者の保証がついていると思います。確かにそれによって、シロアリ対策が施されている建物と言えるでしょう。
しかし残念ながら予防剤は永久的ではなく、時間とともに効果が薄れてしまう難点があります。多くの薬剤の効果は5年程度しか効果が続かないため、シロアリ施工は5年保証であることが多くとなっているのです。予防を実施してから5年という日に近づいてきたら警戒をはじめましょう。

シロアリ対策をしなかったときの被害

住宅の被害・生活の被害・金銭的な被害のイメージ

シロアリ対策をきちんと行わないとどのような被害が出るのでしょうか?そのことについて「住宅の被害」「生活の被害」「金銭的な被害」について、それぞれ説明していきます。

住宅への被害

もちろんシロアリによって住宅がまず大きな被害を受けます。湿気の多い場所に食害を与えたり、巣を作ったりして、最終的にはボロボロにして家の強度や寿命を著しく低下させます。断熱材や配管の被覆、それからコンクリート部分にも被害報告が出ていますし、和室やリビングにも発生することもあります。畳や家具を食い荒らすケースもあるのです。
それから外国産の家具を置いているようなご家庭は、外来種である「アメリカカンザイシロアリ」の被害に遭う可能性があります。カンザイシロアリは木材に含まれているわずかな水分でも十分活動できてしまうため、輸入家具の中に潜伏していることがあるのです。

生活への被害

シロアリ被害を受けると、生活に打撃を受けてしまうことは避けられません。たとえば浴槽などは湿気が多いので被害を受けることも多く、リフォームが必要になることもあります。それから駆除した際に、散布した薬剤が健康に影響を与えてしまうこともあり、十分な換気をしばらく行う必要があります。

金銭的な影響

駆除を依頼した場合の費用面の影響も決して小さくはありません。薬剤を散布して直接シロアリを駆除していく「バリア工法」と呼ばれる作業は、30坪の敷地であれば18~20万円ほどで、それから毒エサを食べさせる「ベイト工法」という作業の場合は、26~30万円程度かかります。

シロアリ被害の発生件数

シロアリ被害の発生件数は年間で200万を超えるとも言われています。これは25戸につき1戸程度の割合です。木造建築ならば15戸に1戸という高い割合で被害を受けています。特に築年数の長い建物ならば、この割合はさらに高くなるので、よく気をつけましょう。ちなみに日本の中では和歌山県の発生が多い傾向があるようです。

まとめ

以上、今回はシロアリ被害の危険性や生活への影響についてご紹介してまいりました。シロアリはとてもしぶとい害虫であり、ちょっとした予防や対策ではものともせずに爆発的に繁殖できます。特に湿気の多い場所や温暖な地域の被害が多いですが、そうではない建物でも決して油断はせず、駆除業者に定期点検なども依頼して、常に注意を怠らないようにしておきましょう。
トップへ戻る