羽アリが大量発生した場合の駆除方法について
シロアリとの違いも説明

羽アリが大量発生した場合の駆除方法について 暮らしのお困りごと
皆さんは家の中で羽アリを見かけることはありませんか?よく「羽アリは家を食べてしまう」などといいますが、実際にスカスカになってしまった木材を見るとぞっとしてしまうものです。羽アリの放置は建物の劣化の原因になるため、早めの駆除が求められます。ここでは、羽アリに関する基本知識や駆除の方法について紹介します。

羽アリの「クロアリ」と「シロアリ」の違い

シロアリとクロアリの違い

羽アリは細かくは多くの種類がありますが、大きく「クロアリ」と「シロアリ」の2種類に分けられます。クロアリとシロアリとでは、見た目や発生する時期など、さまざまな性質に違いがあります。それぞれの特徴を知ることで、自宅に出るのがどちらの種類なのかを分別し、最善な駆除方法や予防策を実施することが可能になります。

クロアリの特徴

クロアリは羽アリの一種ですが、実は木材を食べることはありません。腐った木に生息し、木材を食べるシロアリを食料とするために誤解されがちですが、クロアリの発生原因がシロアリを捕食する為に発生している場合、クロアリの駆除は必ず行ったほうがよいでしょう。クロアリは前羽が大きく、腹部がくびれたような形状で、触覚が曲がっているのが特徴です。6~11月頃によく見られます。雄のアリは頭より胸が小さいですが、女王アリは頭より胸が大きく、羽がちぎれていることが多く、基本的に巣にこもっています。

シロアリの特徴

シロアリは木材を食べる害虫としてよく知られています。床下などに生息しており、クロアリを天敵としています。シロアリは前後の羽の大きさがほぼ同じで、くびれのない体型をしています。触覚はまっすぐなのでクロアリとの区別はつけやすいです。日本では4~5月はヤマトシロアリ、6~7月はイエシロアリという種類が見られます。シロアリの女王も羽が失われている場合が多く、また腹部が非常に大きく体長が4cm近い個体もいます。

羽アリが大量発生する理由

雨上がりの夕方

羽アリが大量発生する理由は主にコロニー内での繁殖によるものです。コロニーとはシロアリの巣であり、女王アリを中心に構成された1つの集団のことです。一般的にクロアリは8~9月、シロアリは4~5月に大量に発生する傾向があります。コロニーが何かの理由で壊れるか、いっぱいになると新たな巣づくりのために移動を始めますが、この時は雨上がりや台風後のタイミングで、夕方から夜の時間帯に飛び立つことが多いです。人間には、この時に大量発生が起こったように見えますが、その時にはすでに繁殖を終えているのです。

羽アリの駆除方法

紹介してきたように、同じ羽アリでもクロアリとシロアリでは生態の違いがあり、効果的な駆除方法も異なります。そのため、駆除の必要性や方法をよく判断することが大切です。やみくもに殺虫剤を使うのではなく生態にあった駆除をしなければなりません。また、羽アリを見かける機会が多い場合、巣の存在を疑う必要があります。

クロアリの駆除方法

クロアリは自然界に多くいるのが普通で、人間にとって直接的な害虫ではないため、駆除依頼があっても状況を判断して不要と判断するプロもいます。クロアリを駆除する必要がある場合は、表に出ているのは働きアリで、駆除してもきりがないため、基本的には女王のいる巣を狙います。巣の場所が特定できていれば、直接殺虫剤を噴霧したり、周辺に毒餌やアリ用のジェル剤を置いたりするとよいでしょう。巣の場所がわからない場合、個別にアリを駆除するだけでなく、毒餌を使うことで巣に持ち帰り、巣ごと駆除できます。繁殖力のある女王さえ駆除できれば、雄のアリは繁殖期を過ぎ、地上に落下して羽が落ちたら自然に死んでいきます。

シロアリの駆除方法

シロアリは家の木材部分に巣を作って繁殖するため、素人がすべてのシロアリを駆除し、巣まで壊滅させることはかなり難しいことを覚えておいてください。それでも、予防や初期の小さな規模のコロニーであれば市販の薬剤や毒餌などを用いて駆除することは可能です。また、駆除と同時にシロアリの侵入を防ぐことや、発生を予防することも大切です。侵入を防ぐには、侵入経路を把握し、物理的に塞いだり、薬剤を散布したりする方法が効果的です。また発生を予防するために、シロアリの好む多湿の環境を作らないことや、木材やダンボールなどを放置しないよう心がけましょう。以下でシロアリ駆除に有効なグッズを紹介しますので、シロアリ対策にご活用ください。

市販の駆除グッズを使った羽アリ対策

コロコロで駆除

羽アリ対策に使える駆除グッズは、ドラッグストアなどでさまざまな種類のものが市販されています。しかし、各製品は誤った使い方をしてしまうと効果が得られないだけでなく、人体に被害を及ぼす可能性があります。また、駆除剤は羽アリの種類ごとに特化されており、活用シーンも異なります。こうした点に注意しつつ、上手に活用しましょう。

アリ用殺虫スプレー

羽アリ退治で最も手軽で使いやすいのが「アリ用殺虫スプレー」です。しかし、一般的に市販の殺虫スプレーは、クロアリ用とシロアリ用に分かれていますので、まずは羽アリの種類をしっかり見分けてから購入・使用する必要があります。殺虫スプレーは即効性のある薬剤をスプレーで噴霧するもので、虫が苦手で近づきたくない人には強い味方です。スプレーの中には、殺虫効果だけでなく付近の木材へ防虫・防カビ効果を提供し、予防に役立つものもあります。

忌避スプレー

羽アリ対策に有効なのが「虫除けスプレー」こと「忌避スプレー」です。忌避スプレーは羽アリが嫌う薬剤を侵入経路に予め散布しておくことで侵入を防ぎます。忌避スプレーは使用場所が大事で、侵入経路となりやすい窓のガラスやサッシ、網戸などや、玄関のドア周辺への噴霧も有効です。また、羽アリは光に集まる傾向があるため、電灯や外灯などへの噴霧も有効です。製品によっては噴霧対象に悪影響が出る場合もあるので説明書を必ず確認しましょう。

粘着テープ

羽アリの駆除、特に屋内での駆除作業に手軽で効果的な方法が「粘着テープ」を使った駆除方法です。この方法は、家にあるガムテープや「コロコロ」でこまめに駆除を行います。目の前の羽アリを取り除くだけでなく、落ちた羽も一緒にお掃除できます。虫が苦手で接近できない人は、取っ手が長いコロコロなどを利用しましょう。掃除機で吸引することも可能です。夜間など音を出したくない場合や、アレルギーなどで薬剤を避けたい人におすすめです。

羽アリ駆除を業者に依頼する

業者に依頼するイメージ

羽アリ駆除を確実に、効果的に行って被害を最小限に食い止めるには、やはり専門の駆除業者に依頼するのが一番です。家の構造や周辺環境上、湿気が溜まりやすく羽アリが出やすい環境であれば、早めに相談や対策を行いたいものです。業者を選んで依頼する際に押さえておきたいポイントについて以下で紹介します。

業者選びのポイント

羽アリ駆除を行ってくれる業者はみんな同じということはありません。中には技術の足りない業者やサービスレベルの低い業者もありますので、ポイントを押さえて選ぶことが大切です。業者選びでは必ずホームページなどを確認して、実績や、保証の内容や期間が十分な業者を選びましょう。また、自宅から近い業者であれば地域の環境要因や羽アリの発生時期なども正確にわかり、対応も早いため、業者の所在地もなるべく重視したいポイントです。

羽アリ駆除業者の費用相場

羽アリ駆除業者に依頼する時に、一番気になるのはやはり費用です。一般的な費用の相場は、1㎡あたり3,000円前後、坪あたり1万円前後といわれています。これには、作業前の現地調査や5年後の再消毒保証、シロアリ再発時の補償が見積もりに含まれるのが一般的です。これらの相場より格段に安い場合、作業やサービスに追加費用が発生することもあるため、内容をよく確認することが必要です。必ず複数の業者から見積もりをもらうようにしましょう。

まとめ

羽アリ対策では、種類を見分けてから対策を行うことが求められます。その生態上、クロアリは自分で駆除や予防を行うことが比較的難しくありません。一方、シロアリは素人では対応しにくい場所に巣を作り、かつ住居への被害も大きいため厄介です。そのため、信頼できる専門業者を探して駆除を依頼するとよいでしょう。
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