自分でシロアリ駆除する方法
DIYで駆除する手順と注意点

自分でシロアリ駆除する方法 暮らしのお困りごと
大切な住まいの柱や床下に侵入して食害を与えて、その寿命や強度に影響を及ぼすシロアリ。発見してしまったときのショックは大きいですよね。
今回はシロアリ駆除をDIYで行う方法について紹介します。「ベイト剤」「駆除剤」など、薬剤それぞれについての注意点や、DIYでどこまで駆除できるのかといったことについても説明していきます。シロアリの被害に困っている方は、ぜひ参考にしてください。

シロアリ駆除のDIY方法

シロアリは自然にいなくなることはまずありません。そのため、何かしらの対策が必要です。DIYでの方法は「防止剤」を使うケース、「据え置きベイト剤」を使うケース、それから「薬剤を散布する」ケースの3つがあります。ここではまず、それぞれの方法について、手順と注意点をご紹介します。

シロアリ防止剤

「防止剤」は退治するというよりも、シロアリを住まいに近づけないようにする方法です。液状の塗るタイプと、スプレータイプがありますが、基本的に防止のみを目的としたものは市販ではほとんどありません。シロアリの殺虫剤の中で、忌避性の強い成分が含まれている駆除剤を選ぶことで予防することになります。

駆除の手順

防止剤は、すでにシロアリがいる状態で使用すると、シロアリがそこから移動して別の箇所に被害が出てしまうだけなので、解決になりません。すでにシロアリを発見してしまっている場合は、被害が出ているところを以下で説明する「据え置きベイト剤」や「駆除用薬剤」を使って一掃してから、防止剤を使用しましょう。

駆除するときの注意

市販の駆除剤に含まれている忌避性成分の予防効果は最長9ヶ月ぐらいです。多くは半年ぐらいですが、外で使用したときは雨風にさらされて成分が薄まりやすいので、3ヶ月など一定の期間ごとに、こまめに散布するようにしておきましょう。

据え置きベイト剤(毒エサ)

シロアリは食べたエサを巣に持ち帰る習性があります。この習性を利用して、毒エサを持ち帰らせ、巣ごと駆除する方法が「据え置きベイト剤」による方法です。間接的な方法であるため、効果が出るまでに時間がかかってしまうことがデメリットです。

駆除の手順

ベイト剤を使った手順は、以下の通りです。
1.ベイト剤を準備
ベイト剤にはベイト剤とステーションをセットしてから利用するタイプと、最初から一体型になっているタイプがあります。別々のタイプの場合はステーションに設置します。
2.シロアリの通り道にセット
建物の基礎から20~30cm離れた位置に、ステーションが入る程度の深さの穴を掘り、ベイト剤を埋めます。ベイト剤の頭が少し地表に出ているくらいがベストです。木部に使用するときは、粘着テープや養生テープでしっかりと固定します。
3.出入りを確認して、位置をチェック
設置が完了したら、シロアリがしっかり毒エサを食べているかをチェックします。期間をおいてベイト剤を確認し、シロアリがいるかどうか、エサを持ち帰っているかどうかを確認しましょう。確認できないようなら、設置箇所を変更する必要があります。
4.適宜殺虫剤も併用
あとはベイト剤を半年ほど放置しておきます。もしシロアリが群がっているようであれば、適宜殺虫スプレーなども利用しましょう。

駆除するときの注意

ベイト剤のデメリットは即効性が低い点です。巣に毒エサを持ち帰らせるという間接的な方法なので、どうしても一掃するまでに時間がかかります。しかしこの方法は以下で述べる薬剤を散布する直接的な方法よりも、健康面への影響がほとんどないというメリットがあります。小さい子供やペットがいる家庭でも安心して利用できます。

駆除用薬剤

毒エサをセットするベイト工法に対して、壁や柱に薬剤を散布・注入する方法です。即効性が高いというメリットがあります。薬剤は希釈して使うタイプなどさまざまな種類がありますので、よく説明書を読んでから使用するようにしましょう。

駆除の手順

薬剤を使った手順は以下となります。
1.シロアリがいる場所に3mm程度の穴を開ける
まずはシロアリが発生している場所や、侵入経路となっている木材にドリルを使って3mm程度の穴を開けます。
2.開けた場所に薬剤を注入していく
そして穴を開けた箇所を含めた周辺に、30cm間隔で薬剤を注入していきます。注入したあと、木栓などを使って穴を塞ぐとより効果が高くなります。
3.シロアリの通り道に薬剤を散布
また、シロアリが土や食べかすで作った「蟻道」が見つかったなら、そこが活動範囲です。特にしっかり薬剤を塗布していきましょう。
4.土壌にも散布する
シロアリは家の下の土壌から家屋に侵入してくる傾向があるため、木部処理や蟻道の処理が終わったあとは、床下や周辺の土壌にも薬剤を吹き付けていきましょう。

駆除するときの注意

薬剤が強力なため、量を間違えると頭痛や吐き気など健康面に影響が出ます。特にペットや小さいお子様がいるご家庭は、慎重に扱うようにしましょう。
また作業時は必ずマスクや手袋をしましょう。防毒マスク、手の怪我を予防するための軍手、それから目を保護するゴーグル、化学防護服なども必要です。家の下に潜り込む際には、両手の使えるヘッドライトなども準備しましょう。

シロアリの幼虫の駆除方法

シロアリ駆除の際に厄介になるのは幼虫です。女王アリは一年中産卵し、特に温度や湿度の上がる梅雨の後半に大量の卵を産んで、急速に繁殖します。そういった幼虫や卵もしっかり処理しておかないと、すぐにシロアリ被害が再発してしまいます。
巣の近くや通り道に掃除機の口をしっかり設置して吸い込んだり、巣に直接薬剤を散布したりすることで、幼虫もしっかり駆除しましょう。

DIYでどこまで駆除できるか

シロアリの生命力はけっして強くありません。掃除機で吸うだけでも死滅させることはできるので、目に見えている箇所だけなら素人でも難しくはありません。
とはいえ、「再発」のことまで考えると、やはり専門の業者に任せることがおすすめです。シロアリは個体数を合わせると100万匹を超える種類もありますので、表面上に見えているのはごく一部である可能性が高いです。また、羽アリなどは空からもやってくることもあり、その繁殖力は手に負えません。
ただし、業者に頼む場合は悪質な業者の被害に遭わないように、優良な業者かどうかはしっかりとチェックする必要があります。いくつかの業者に、同時に見積もりを依頼して比較検討しましょう。

まとめ

今回はシロアリをDIYで駆除する方法についてご紹介しました。シロアリ駆除キットは多数売られており、通販でも容易に手に入りますし、自分一人でもそれなりに効果のある処理を行えることは間違いありません。しかし、風通しの悪い床下で殺虫剤を使用することは危険ですし、完全に処理することは素人には難しいと言えます。その点、業者なら専門家がプロの視点から徹底的にチェックし、的確な作業を行ってくれます。業者に依頼する際は必ず見積もりを取って、安心できる業者かどうかをチェックしましょう。
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